伊藤忠/国産・欧州から付加価値商材/セレクト向けOEM

2017年01月30日 (月曜日)

 伊藤忠商事のアパレルOEM・ODMでセレクトショップ向けを手掛けるファッションアパレル第一課(FA第一課)は国産、イタリア産など付加価値素材の活用を進める中で、ASEAN地域での縫製と組み合わせた競争力強化を進めている。付加価値を高めつつ、コスト要望に応えるサプライチェーン構築に注力しており、付加価値羊毛を国内で生地化する取り組みや北陸産合繊生地の開発を社内連携で増やすと同時に、広域・二国間経済連携を活用する目的でベトナムでの生産を継続的に拡大する。

 秋冬向け付加価値原料では柔らかさと軽量感に優れた「ハミルトンラムズウール」が主力に育つ。横編み、コート向けで大手セレクトショップに浸透し「名指しでの採用要望もある」(FA第一課)と言う。

 17秋冬向けでは、100%使いのハイゲージ品やカシミヤ混、ラクーン混などの複合素材を加え、高価格帯向けの付加価値向上や販売期間の長期化に対応する開発に力を入れた。

 レディース布帛では今秋冬の店頭の動きを受けて合繊使いを拡充。北陸テキスタイル課が産地企業と協業した素材を製品企画に活用した。

 ニット、カットソーも原料にこだわった開発を進め、スーパー120の梳毛糸、スポンディッシュな風合いを持つフォークランドウールをそろえた。

 付加価値原料を提案する中で、FA第一課はASEAN地域での生産を増やしている。日本で生産した生地や欧州で調達した素材を、経済連携協定で関税が免除されるベトナムで生産するオペレーションを増やしており、コスト要望に応えられるようにしている。

 今後はベトナムのほか、日本向けを主力とするカンボジアの協力工場でも「トライアル生産に着手する」との考えを示す。QRに関する要望も強まっていることから、国内生産の強化や中国生産の維持も課題に挙げる。

 商材のバリエーションについてもインポート商品やODMの活用で欧州での開発を深掘りして行くという。