東洋紡「エクスライブ」

2000年09月14日 (木曜日)

 東洋紡は十三日、ポリエステルに能動的な吸放湿機能と自己乾燥能力を持たせた「エクスライブ」を発売すると発表した。スポーツ、インナー、アウター、裏地、資材など幅広い用途で、それぞれのトップアパレルと提携して販売する方針で、二〇〇二年には四百万メートル(織物六五%・ニット三五%)を計画している。

 〝呼吸するポリエステル〟をキャッチフレーズにする「エクスライブ」は、シリカゲルの約三倍の吸湿性を持つシークレットパウダー(アクリレート系繊維「エクス」の粉末)をエマルジョン化(乳化)しポリエステルと重合させる。

 このパウダーが吸湿により発熱し、さらに生地の飽和吸湿量を高める。衣服内温湿度を保ちながら生地表面で吸湿発熱と放湿冷却を繰り返すことで、繊維そのものが自己乾燥し、べとつき感をなくす。

 加工は小松精練で行うが、バインダーによる従来の後加工とは違い、分子レベルで結合させるため、洗濯による機能低下はなく、半永久的に保持するという。また消臭、抗菌防臭、pHコントロール、制電性などの機能を併せ持つ。

 販売価格は織物・ニット平均で一メートル六百円強を予定。当面は輸出・国内半々の販売を見込む。すでに01春夏からアディダス・ジャパンがアスレチックウエアで採用することが決まっており、他の分野でも、内外のトップアパレルとの商談が進行中。「水を吸わないというポリエステルの欠点を解決した画期的な素材。世界的規模でポリエステルテキスタイルの新時代を築きたい」(安部康生エステル長繊維テキスタイル部長)と意気込む。