特集 メディカル・介護ウエア2024(3)/アシストスーツ編/負担軽減する有効ツール

2024年03月27日 (水曜日)

 アシストスーツ(AS)の活用が求められる業種の共通点は、腰痛の原因となるような中腰や前傾姿勢、長時間の立ち姿勢による作業を伴うケースが多いことだ。作業者の高齢化や人材確保対策、労働安全衛生の強化といった課題解決に有効なツールの一つとして認識され始めている。

 介護分野では介護者の腰部に大きな負担が掛かる動作として、移乗や立ち座り、体位転換をはじめ、おむつ交換、入浴などが挙げられる。早い段階からASの導入は提唱されていたものの、実際の現場では脱着の手間やアシスト力、さらには介護施設の予算不足などが障壁となって、これまで普及が進まなかったのが実情だ。

 ここに来てようやく状況が変わってきたのは、施設内だけでなく在宅介護でも活用できる製品の汎用性と低価格化が一気に進んだことが要因とみられる。自社製品の強みについての設問(グラフ④)に対する回答では、「アシスト力」10社、「着脱のしやすさ」9社、「重量」8社、「価格」6社が上位を占める。各社マーケットイン指向の製品開発にシフトしていることがうかがえる。

 さらにASの普及期に移行したとみられる欧米市場向けを中心に国内メーカーの海外展開が加速している。パッシブ型は電動モーターを使用するアクティブ型と比較して価格が抑えられるほか、円安による割安感も追い風になっているようだ。

〈アシストスーツアンケート協力企業〉

Asahicho、アトリエケー、アルケリス、イノフィス、加地、キングジム、クラボウ、コガネイ、ダイヤ工業、日本シグマックス、ユーピーアール(五十音順)