ごえんぼう

2023年11月15日 (水曜日)

 「蛇口の閉め方が極端すぎて」と嘆くのは、ある副資材製造卸のトップ。アパレルの発注ロットが急激に極小化したことを言い表した▼生地商社や産地企業からも同じような声が聞かれる。特に初回発注のロットが「劇的に」小さくなった。そこから小刻みな発注が何度かあり、シーズンが終わる。期中の追加はほとんどなくなった▼そのため、定量計画は目に見えて立てにくくなった。シーズン閉めてみれば例年通りだったということもあるが、計画の精度は落ちる。上場・非上場に関わらず、期初計画の上方修正や下方修正が頻発しているのはこのためだとみられる▼発注ロットの極小化には言うまでもなく、「作り過ぎは悪」というSDGs(持続可能な開発目標)が関係する。初回発注は以前、機会損失を防ぐためほとんどのケースで余剰だった。この余剰分を産地企業らはもうけにしてきた。ビジネスモデルの大転換が迫られている。