第24回中国江蘇省輸出商品展示会/22~24日、マイドームおおさかで開催

2023年08月17日 (木曜日)

 新型コロナウイルス禍によって休止を余儀なくされていた展示会が相次いで復活開催されている。22~24日にマイドームおおさか(大阪市中央区)で開かれる「第24回中国江蘇省輸出商品展示会」もその一つだ。1995年の初開催から23回開かれてきた歴史ある同展は、19年5月展を開いて以降3年間、コロナ禍によって休止としていたが、4年ぶりに開催することが決まった。アパレル、ホームファブリック、靴、帽子、アウトドア用品、日用品、ギフトなど200社を超える中国企業が対日貿易拡大に向けて商談を進める。

〈丹陽登峰戸外用品/USB給電の加熱寝袋〉

 2006年に設立された寝袋が主力のアウトドア用品メーカー。最新トレンドを反映した新製品が多いことと、コストパフォーマンスが高いことが強み。欧州や日本に製品を輸出している。日本の顧客は、クラウドファンディングを利用する新興ブランドなど。

 コロナ禍以降、世界的にアウトドアが流行したが、昨年から世界的に経済が停滞し、アウトドア用品の需要も低迷、同社の受注もその影響を受けている。日本市場に重点を置き、挽回を図っていく。

 初出展の今回は、ベーシックな製品からUSB給電式のヒーターが内蔵された加熱寝袋、帆布(はんぷ)使いの高級寝袋、保温寝袋まで、各種製品を打ち出す。

〈連雲港卓奈実業/実用的な木製家具打ち出す〉

 創業20年の木製家具メーカー。2017年から生産規模を拡大し、年産能力は現在、家具5万セットに及ぶ。

 中国内販に長く特化してきたが、20年以降、海外市場の開拓を始めた。内販と輸出の比率は既に半々だ。輸出は、欧米と韓国の顧客が多い。米国と日本のネット通販サイト「アマゾン」にも出店している。今年は、各国の展示会に出展し、顧客や販売パートナーの開拓に注力している。

 初の出展となる今回は、高品質でシンプルかつ実用的な製品を打ち出す。ガラスと木材を組み合わせたコーヒーテーブルと、木製キャビネットの二つを目玉商品に位置付ける。

 この出展を機に、日本市場の開拓を本格化させていく。

〈江蘇弘業永為国際貿易/多彩なファッション小物〉

 2001年に設立されたファッション小物のメーカー。バッグや帽子、スカーフなどを生産する。強みは、親会社である国営企業傘下のサプライチェーンを活用できることや、デザインチームを持つ点。輸出向けがメインで、取扱高の仕向け地別割合は、欧米60%、日本・韓国30%、その他10%だ。

 日本の顧客は、ベビー用品チェーンなどで、直接取引している。販売アイテムは、肌着やおもちゃ、帽子など。日本市場を重視しており、大阪に代理店を置いている。コロナ禍前までは毎年同展に出展していた。

 今回展では、エコとファッションにこだわったハンドメイド風バッグなどをアピールする。

〈江蘇泊洋家居科技/ヘンプ使いホーム商品〉

 リネンとヘンプ使いの生地と、それらを用いた寝装寝具、ホームウエアのメーカー。中国内販と輸出の双方を展開。売り上げ全体の9割を生地、1割を製品が占める。黒竜江省にヘンプ栽培基地、江蘇省に紡績・織布工場を持つ。

 輸出の顧客は、日本や欧米の大手ライフスタイルショップ。寝装寝具やホームウエアを販売している。日本向けは、商社経由で展開しており、毎年売り上げを拡大している。昨年の輸出額は約500万㌦だった。今後、日本向けのアイテム開発に注力し、一層の拡大を図る。

 初出展の今回は、ヘンプの機能性商品を出展する。抗菌、UVカットなどの機能性と、優れた耐久性を訴求する。

〈江蘇匯邦紙業/輸出向け家庭紙メーカー〉

 2008年に設立されたティッシュやトイレットロール、キッチンペーパーなどの家庭紙メーカー。強みは、四半世紀に及ぶ生産・貿易経験と、強い営業チームだ。輸出に特化しており、欧州・ロシア市場と、米国・中南米市場向けが主力。

 日本市場向けはまだ少ないが、商社経由で大手GMSや100円ショップに販売している。今後は、工場がある山東省青島からアクセスしやすい日本市場に重点を置く。

 日本向けは、円安や購買力の低下などを背景に伸び悩んできた。同業者間の価格競争も激しくなっている。こうした中、同展に初出展し、製品と社の知名度アップに取り組み、新規顧客の開拓につなげたい考えだ。

〈丹陽欣芳戸外用品/欧米向け高級寝袋〉

 2011年に設立された寝袋メーカー。強みは、高級寝袋の生産実績が豊富な点と貿易経験が豊かなこと。売り上げ全体の9割を輸出が占める。欧米各国と豪州向けが多い。

 日本向けはまだ実績がないが、今年から開拓を始める。異なる環境や気温に対応するさまざまな製品をアピールしていく。日本市場のニーズに合致した製品開発にも今後、力を入れていく。

 初出展となる今回は、中わた素材に羽毛を採用した高級寝袋と、コストパフォーマンスが高い寝袋の二つの製品ラインを打ち出す。

〈江蘇飛恩戸外休閑用品/高品質の防水バッグ〉

 防水バッグやオーニングテント、マットなどのメーカー。従業員数は60人超で、防水バッグなどの月産能力は6万~8万個。自社で設計から生産、販売まで展開する。大ロットから小ロットまで対応する。売り上げ全体の6割を輸出が占める。

 日本と韓国向けが伸びたことで、今年上半期の売り上げは前年同期に比べ30%以上増えた。今後5年間、日本市場の開拓に力を入れる。高品質とコストパフォーマンスの高さを武器に、アウトドアブランドの開拓を目指す。

 今回展では、耐久性の高い「コーデュラ」ナイロンなどを使用した防水バッグを中心に紹介する。

〈揚州白洋山紡織/マイクロファイバー布輸出に特化〉

 2004年に設立されたマイクロファイバークロスのメーカー。輸出に特化している。

 ドイツ、フランス、英国、スペイン、オランダ、オーストリア、スイス、ノルウェー、デンマークなど欧州各国に顧客を持つ。日本向けは一部にとどまっている。今回の出展を機に、日本市場の開拓を本格化させる。

 初出展となる今回展では、ポリエステルとナイロンによる複合加工糸を使った製品を出展し、吸水性や耐久性など機能性に優れた点を訴求する。一般的な織物だけでなく、ジャカード織や原着糸使いなど、特色のある製品も紹介する。

〈江陰新禾宇針織/日本向けレッグウエア〉

 2015年に設立されたレッグウエアメーカー。日本向けに特化する。メンズとレディース双方を展開し、5本指ソックスを得意とする。

 日本向けは、安定成長している。日本向け輸出額の年間成長率はここ数年、10%前後を維持している。

 今回展では、「3Dプリントレディースソックス」や、飾り付きのべビーソックス、絞り染めクルーソックス、横編みと丸編みの5本指ソックスなどを出展する。和紙やヘンプ、竹繊維などのバラエティー豊かな素材使いと、吸湿発熱や抗菌、接触冷感などの機能をアピールする。

〈蘇州徳鋭朗智能科技/モバイルバッテリー中心〉

 発電機やエネルギー貯蔵設備、インテリジェントコントローラー、パワーエレクトロニクス機器、付属品などのメーカー。研究開発に注力し、モノのインターネット分野で特許出願を積極的に行っている。国内外に顧客を持つ。海外顧客は欧米企業が中心だ。

 独自製品の「インテリジェントデジタル発電機」は2018年、ドイツ「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞した。同社は19年に、中国政府から「国家ハイテク企業」に認定された。

 日本向けは、モバイルバッテリーが中心。日本で自然災害が増えていることから、同分野の潜在ニーズは大きいとみる。その深耕のために、初出展する。

〈江蘇維宸複合材料/シリコン・PTFE製品紹介〉

 シリコンとポリテトトフオロエチレン(PTFE)を使った耐熱関連商品のメーカー。主力アイテムは、PTFE使いのシートとバーベキュー向けマット、グリルネット、シリコン使いのマット。工場の敷地面積は4万平方メートルで、塗装用乾燥設備や部分整経机、織機などを導入している。

 売り上げ全体の9割を輸出が占める。年間輸出額は1500万ドルで、輸出先は欧州、北米、南米、日本、韓国など。

 今回展では、バゲット型やケーキ型のシリコンマット、断熱マットなどの家庭用製品と、耐熱クロスや電子絶縁テープ、食品ベルト、シリコン防火カーテンなどの工業用製品を紹介する。