ボーケン品質評価機構/EFウエアの機能評価/UGTと試験方法開発

2023年08月07日 (月曜日)

 ボーケン品質評価機構はこのほど、電動ファン(EF)付きウエアなど冷却機能ウエアの性能を評価する新たな試験方法を開発した。提携するユニチカガーメンテック(UGT)と共同開発したもので、衣服内からの放熱量を測定するだけでなく、着用によって衣服内の温度がどれだけ低下するかを予測することができる。

 新試験方法は、試料となるEFウエアなど冷却機能ウエアを発汗サーマルマネキンに着用させ、衣服内からの放熱量を測定するもの。試験対象ウエアと比較品(ファンが起動していない状態のEFウエアやファンがない通常のウエアなど)の放熱量を比較し、それを基に「想定環境温度」と「想定環境温度差」を算出する。想定環境温度差が冷却機能ウエア着用によって衣服内の温度がどれだけ低下するかの想定値となる。

 放熱量だけでなく、想定環境温度差を算出することで冷却機能ウエアを着用することで、どれだけ衣服内の温度が低下すると想定できるかなど具体的に性能を表現することが可能になった。試験に発汗サーマルマネキンを使用するため被験者を用いる試験よりも再現性のある評価が可能だ。

 近年、EFウエアなど新たなメカニズムの冷却機能ウエアが急速に普及している。一方、冷却機能を具体的に評価する方法は確立していなかった。今回、ボーケンとUGTが評価方法を開発したことで、これまで以上に消費者に分かりやすい機能性の表現が可能になり、アパレルにとっても提案の幅が広がりそうだ。