日本不織布協会 三木会長/各社の意見聞き協会運営/不織布も戦略見直す時期

2022年08月03日 (水曜日)

 日本不織布協会の三木雅人会長(三木特種製紙社長)はこのほど本紙取材に応じ「当協会は約190社からなる大きな団体であり、海外の不織布団体との窓口も務める。運営には会員企業の協力が不可欠であり、各社の意見を聞きながら進めていきたい」と抱負を述べた。三木会長は7月8日の定時総会で選任された。

 この数年間は新型コロナウイルス感染拡大、ウクライナ問題など「事業環境が激変し、今までと同じ活動が難しくなった」と振り返り「さまざまな制約がある中で協会活動をいかに進めるかが課題。各活動も今の時代に合った形にする必要がある」と指摘し、協会活動の変革に取り組む考えを示した。

 「コロナ前の事業環境に戻ることはない。その他のパンデミックもあり得る。何が起こっても不思議ではない時代。想定外ではなく、想定した上でどのように対応するか。トライしながらベターな形に近づけるしかない」とし、その一つとして各委員会の活動をリモート、リアルと両者を組み合わせたハイブリッドなどを充実させる。

 日本の不織布産業については「これまで描いた戦略を見直す時期にある。原料調達から不織布の生産・販売の再構築が重要」との考えを示した。不織布業界も海外生産シフトが進んだが、新型コロナ禍により不織布製マスクが一時期、供給不足に陥ったように、国際的なサプライチェーンの混乱は大きな影響を与える。

 「その際どのように対応できるか。国内調達できなければ供給不足に陥るだけに、国内生産は再評価されるべきであり、国内生産をいかに維持するのかは、経済安全保障の観点から官民一体で考える必要がある」と述べた。国産品の需要が減退しても「休止設備を維持管理する資金を公費で賄うことができれば、設備を残すことができるのではないか」などの例も示した。

 微減が続く日本の不織布生産も「海外品からの代替や他材料から転換なども可能。コストだけでなく、付加価値品で代替できる」と語った。

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 アジア不織布産業総合展示会・会議「ANEX」が、2024年5月22~24日、台湾・台北市で開催されることが決まった。