ANFA20周年/20年間で生産7.5倍/アジアの不織布急成長

2021年12月20日 (月曜日)

 アジア不織布協会(ANFA)は2020年に創立20周年を迎え、このほど、20周年記念誌を発刊した。2000年11月、前身のアジア不織布工業協議会(ANIC)を発展的に解消し、ANFAとして再スタートして20年。ANFAの金井宏彰会長(金井重要工業社長)は「日本企業による海外生産も国内生産を超えたように、各国・地域の事業の中心が内需から外需に移行し、海外の生産拠点が拡大した時代だった」と振り返るとともに「世界とアジアの不織布産業が今後さらに進化することを期待している」と語った。

 ANFAは当初、日本、中国、韓国、台湾の4カ国で構成し、現在はインドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、パキスタン、トルコ、シンガポールが加盟。その他の国・地域も参画の意向を示しており、アジアを代表する不織布団体として存在感を年々高めてきた。米国、欧州の不織布団体とも連携し、3年に1度、アジア不織布産業産業総合展示会・会議「ANEX」を開催している。

 この20年でアジアの不織布産業は急成長した。ANFAによると、アジアでの不織布生産量は00年に92万トンだったものが、20年に694万トンにまで増えた。けん引したのは中国だ。1990年代には日本とほぼ同じ規模だった中国の不織布生産量は20年に527万トンと日本の17倍にまで成長した。

 金井会長は「量的に見れば中国のプレゼンスはアジアはもちろん、世界でも高まった。中国ではスパンボンド不織布など大量生産型で参入した企業が多い。短繊維不織布からスタートした日・韓・台との成長の違いの一つでもある」と分析する一方、今後は「中国で量から質への転換が起こるかどうかがポイントになるだろう」との見方も示した。