江蘇省輸出商品展レビュー(後)/納期対応に努力

2019年05月30日 (木曜日)

 「中国江蘇省輸出商品展示会」の出展者に成果を聞いたところ、「来場者が少なかった」「受注量が減っている」との声も一部にあった。日本の消費市場の低迷が表れている。

 南京韓浦進出口は、大手ユニフォームメーカーとの取引がある。200台のミシンを備えて、ワーキングユニフォームを中心に生産する。環境規制の強化で染工場の一定数が閉鎖されているため、生地納期の長期化、生地価格の上昇などを問題視する。「縫製の半数は委託加工なので、生地問題は大きな問題とはなっていない」ものの、納期対応に努めていると言う。

 南通百友製衣は、初出展。最低ロットの基準は500~千枚だが、「200~300枚でも受注する努力をしている」と説明する。

 宿遷市舜達服飾は、2002年の設立で従業員230人。連続で出展し日本向け商売を重視する。しかし、「単価を安くしなければ売れず、利益が出にくい」と悩む。環境規制で小規模染工場が閉鎖し、大手が残ったため、「大手は大ロットしか受けてくれない」。このため小ロットが基本の日本市場への対応に一層の努力が必要となってきたと話す。

 次回は、20年5月19~21の3日間、今回と同じ大阪市中央区のマイドームおおさかでの開催を予定する。次回展でもより工夫を加えた江蘇省の繊維企業の姿が見られることを期待したい。

(おわり)