中国・繊維アパレル企業の18年業績(5)/化繊/ポリエス、ナイロン好調もレーヨン苦戦

2019年05月17日 (金曜日)

 中国の化繊企業15社の2018年通年業績は、ポリエステルとナイロンメーカーがともに好調だった一方、レーヨンメーカーの苦戦が目立った。

 中国の18年化繊生産量は、前年に比べ7・7%増の5011万トン。大宗を占めるポリエステルは、8・5%増の4015万トン。ポリエステル原料の高純度テレフタル酸(PTA)の高騰や人民元安など不安定要素が少なくなかったが、川中、川下の好調を背景に成長を加速した。

 ポリエステル最大手で、パラキシレン(PX)からPTA、PET、ポリエステル関連製品まで一貫生産する栄盛石化は、売上高が26・9%増の914億2466万元だった一方、純利益は16億753万元で20・3%減った。

 PTAとポリエステル繊維、ナイロン原料のカプロラクタム(CPL)とナイロン繊維を生産する恒逸石化は、売上高が849億4769万元で28・8%増、純利益が19億6205万元で16・5%増えた。

 ポリエステルフィラメント大手で、民生用の生産、販売量トップの桐昆集団は、売上高が416億75万元で26・8%増、純利益は21億2025万元で20・4%増だった。ポリエステル長繊維の国内シェア16%、世界シェア11%。

 ナイロン大手で、ナイロンチップやフィラメント、複合材料などを生産する新会美達は、売上高が38億1328万元、純利益が3729万元で、それぞれ7・2%、6・5%増えた。

 レーヨン短繊維最大手の三友化工は、売上高が201億7373万元、純利益が15億8608万元で、それぞれ0・1%、16・0%減った。

 一方、新郷化繊はスパンデックスとレーヨン長繊維がけん引し、売上高が9・4%増の44億9418万元、純利益が273.3%増の1・13億元だった。半面、レーヨン短繊維の営業利益は赤字だった。(上海支局)