江蘇省展 閉幕/出展者で成果に明暗/2日目までで1500人弱来場

2018年05月25日 (金曜日)

 マイドームおおさか(大阪市中央区)で開催された「第22回中国江蘇省輸出商品展示会」は3日間の会期を終え、24日閉幕した。2日目の雨天も影響し、来場者は2日間で約1500人弱と前回から約1割減った。

 出展者の手応えは業種で濃淡が見られた。寝装、雑貨小物のブースに比較的来場者が集まり、「前回に及ばないが50社と商談」「商談件数は30以上で、今後につながる内容も多い」との感想が聞かれた。アパレルOEMでは2日間で商談数が10~20件程度にとどまる。「前回より少ない」「既存先から表敬訪問はあっても、期待した新規客は少ない」との声も聞かれた。

 来場者の話す中国生産の利点は「日本向けは品質面の要求に比べてロットが小さく特殊。長期の取引経験の安心感と融通の利くロット」という点でほぼ一致する。価格に見合う適地生産の追求以外に対応策がないアパレルOEMに比べ、小ロット対応や機能やデザイン面での高付加価値化の余地が大きい雑貨は商機がまだ多かったようだ。

 タオルメーカーの江蘇不懶人紡織品は8回目の出展だが、前々回から両面プリント可能なインクジェット捺染のイベント用タオルに狙いを絞って訴求。マイクロファイバー使いなど価格競争の激しい商品を避け、綿100%、ミニマム100枚からの小ロット対応などアピールポイントを絞りこんだことで、商談成立の精度は上がったという。

 南通豪門貿易は100円ショップ向けの帽子やマフラー、アームカバーなど雑貨類を広く手掛けるが、東南アジア生産品との価格競争は避け、欧米のトレンドを反映したデザイン面や、接触冷感などの機能素材など「総合的な商品力と価格とのベストバランスの追求」を心掛けている。

 今回展では数少ない織布メーカーの南通鋭晟布業は、欧州生地展の出展経験もあるが、日本へは今回が初。合計400台の織機と生地染め・プリント設備の一貫生産工場も持ち、今年末には糸染め設備も稼働させる。生地商社との間接取引が1割程度あるが、「日本の織布生産能力減少はまだ止まらない」とみて、直接貿易拡大の機会をうかがう。「今回は縫製商社の来訪が多かった。生地手配を現地丸投げせず、調達先まで把握する流れがあれば当社にはチャンス」と、一定の収穫を得たようだ。